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2011
07.07

2002年7月4日(木) 無伴奏

Category: 未分類


無伴奏で歌い始めたその唄は
あなたが低音部、私が高音部を受け持って
他の音がないからなおさら静かに、そして内心では激しく
歌い続けられるはずだった。

二重唱はね、まず互いの息づかいを聞くこと
ブレスのタイミングを合わせて、声の大きさを揃えて
どちらかが出過ぎないように、それでいてしっかりと・・

ふたつの音が重なったとき、あたりの空気がほんの少し揺れて
それが新しい旋律になる。

互いの表情を確かめながら、互いのリズムを理解しながら
ひとりひとりの「私」ではなく、新しい「私たち」になって
そうやって歌い続けていくはずだった。

いつからか、私たちの声は重ならなくなり
傍に居たはずのあなたが見えなくなり
私が歌をやめると、あたりにはなんの音もしなくなった。

伴奏のない唄には、どうしてもふたつの声が必要だったのに。
いつの間にか途切れたあなたの声の代わりは、誰にも務まりはしないのに。

だけど、私はここで歌おう。
この場所から動かずに、ここで歌い続けよう。

それだけが今の私に出来ることだと思うから。
風に乗って、このなつかしい唄があなたの耳に届くように
私はここで歌い続けよう。

その声を聞いたあなたが、またいつか私の傍らに立って
そしてふたつの違う旋律が重なって
また新しい唄が出来ることを願って
私はこの場所を動かずにいよう。

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